リハビリ研究センターせんだいをご利用されたご利用者の方が、「ぜひ同じように悩む皆様に伝えたい!」とご自身の体験談を記してくれました。大作ですが、ご覧いただけますと幸いです。大作ですので、まずは前半をご覧ください。
はじめに
皆様、初めまして。
私は、仙台市在住の50代で妻・娘・息子と生活する、いたって一般的な会社員です。
大学を卒業後、会社に勤めて25年目。それは、ちょうど新年度の新人研修で司会をしていた時のことでした。
マイクを握っていた私は突然、言葉が出なくなり、そのまま倒れ込んだ後、意識もないままに救急車で運ばれ、目が開いたときは集中治療室のベッド上で天井を見上げていました。その後、脳梗塞を発症したことを知り、なんだか現実感がないまま、左半身に麻痺と高次脳機能障がいが残りました。
仕事一筋で生きてきた私は、「脳梗塞で後遺症」という現実をなかなか受け入れられず、リハビリ以外の時間をベッドの上で過ごす毎日に、虚しさを感じていました。
その後、仙台市のとある回復期病棟でリハビリを毎日3時間受け続け、妻に介助してもらった状態での歩行までは何とか可能となりました。しかし、基本的には車いすでの生活が中心の状態で自宅に退院しました。
当時は、施設への入所も勧められましたが、そこだけは断固拒否していました。その頃は、よく色々なスタッフの方に「望みや希望」を聞かれていましたが、「この状態で希望と言われても…」といった感覚で、聞かれること自体すごく嫌でしたが、今改めて思い返すと、私の希望は?と聞かれれば、もしかしたら家で家族と暮らしたい、だったのかもしれません。
その後は、週3回介護保険の訪問リハビリで、自宅を歩く練習を繰り返し、傷病手当を受給しながら1年が経過しました。そんなとき、勤務先の社長が一人の男性を連れてお見舞いに来てくれたんです。それが、リハビリ研究センターせんだいの理学療法士、櫛引先生でした。「なんかちょっと怖そうな人だな」それが櫛引先生の第一印象でした(笑、櫛引先生、すみません)
社長も脳梗塞を患ったことは聞いていましたが、私たちのような一般人にはわからないくらいの後遺症で、すたすたと歩いてもいましたので、軽い脳梗塞だったんだなと思っていました。
その時、社長が私に「この動画をみてくれないか」と、ipadを見せてくれました。その動画は、櫛引先生とリハビリをしている動画でしたが、装具を付けていて、1本杖を持って歩いている姿に、思わず「えっ?」と声が出てしまったくらいです。そんな私をみた社長と櫛引先生は、顔を見合わせて笑っていました。
「櫛引先生と、リハビリを頑張ってみなさい」社長に言われた後、櫛引先生から「Aさんは、かなり良くなることが見込まれます。一人で歩けるようになって、会社通勤出来るくらいにはなれるかもしれません。」と言われたことを本当によく覚えています。かなり驚きましたから。
それから、初回体験を受けた後、「リハビリ研究センターせんだい」に週2回、妻に運転してもらいながら1年間通いました。
かなり時間は進みますが、今では、1本杖は必要なものの、市営バスに乗り一人で通勤しています。
私の経験と同じように悩み苦しんでいる方の力になれればと感じ、今回先生にお願いして、ここまでの道のりをホームページに記載してもらえることになりました。前書きが少し、長くなりましたが、どのようなリハビリをして、どんな感じでここまで変化したのか、お伝えできればと思います。
自費リハビリへのイメージ
回復期を180日で退院後、週に数回の訪問リハビリ(介護保険)では、「これ以上の回復は難しい」と感じていました。それは、訪問リハビリを対応してくれた先生が悪いとかではなく、「続けてても、良くはならないんだろうな」と私が感じていたということです。
勤務先の社長から初めて教えて頂いた「自費リハビリ」。私の率直なイメージは
- 値段が高いな (リハビリ研究センターせんだいは、90分9,900円)
- 送迎はないのか。。。
- 私は、社長の改善ぶりを動画で観ましたが、どこか信じられなかった
- 「疑心暗鬼」な感じは否めないな
ただ、先生からお借りした【片麻痺のヒトのためのリハビリガイド】という本を読んだり、リハビリ研究センターせんだいのホームページを閲覧したり、櫛引先生とLINEのやり取りをしている内に、なんとなくではありますが、希望を感じ始めました。その際に櫛引先生の言葉で覚えているのは「頑張れば良くなる、という言葉は単なる幻です」「何回も頑張って繰り返して良くなるのであれば、とっくに皆さんは良くなっているでしょう」でした。
リハビリ研究センターせんだいでの初回体験
① ん?何か他のリハビリと違うような気がした初回評価
私が受けた90分の初回体験では、バランステストや麻痺を診るテスト、歩行のテスト、高次脳機能のテストなど病院でも受けたものが行われました。ただ、なんか違ったんですよね。「今、どこの関節が動いているか感じ取れますか?」とか、後ろから肩に手を置かれて「どっちの肩が高いかわかりますか」など、スポンジを用いて硬さを比べさせられたり、膝を曲げて踵の位置を当てさせたり、色々カラダでどのように感じているかを聞かれまくりました。その中で、いつもぎゅーっと曲がっていた左の肘が脱力したんです。びっくりしました。
昔やっていたスポーツや仕事の内容など、どんな経験をしてきたのかヒアリングがありました。「どんな生活を取り戻したいか」「何ができるようになりたいか」を聞いてくれたことがとても嬉しかったです。良く分からないけど、「もっと良くなると、期待しても良いのかな」と感じたんです。
その時の櫛引先生の言葉が今でも支えになっています。
「脳は死ぬまで変化します。動かないのではなく、脳が“やり方”をまた教えてくれと言っているだけですよ」
② 認知神経リハビリという聞いたことのない名称
私はそれまで、リハビリといえば筋トレのようなものだと思っていました。辛く疲れることを頑張って乗り切る、バランスに問題があるからバランス練習、歩けないから歩く練習。ストレッチをして、伸ばしたり、私の場合は高次脳機能障がいもあったので、机上でプリントを何枚も解いたり。病院ではその繰り返しでしたから。しかし、先生の行うリハビリは違ったんです。イタリア発祥の認知神経リハビリは、全く違いました。なんだか、私は良く分からないけど、今までと違うリハビリを受けることで、可能性がまだあるような、そんな気持ちになりました。自分は、カラダをこんな風に感じていたのか!と驚きました。
私の理解としては、
- 「動きの意味」を理解しながら、脳とカラダを使って再学習する
- 目で見て、意識して、感じながら動作を繰り返す
- これから行う動作を予測して、実際にやって、確認作業を繰り返す
例えば、左手でカップを持つ練習ひとつ取っても、
- 視線の使い方
- カップの重さをどこでどのように感じているのか
- カップを持つときの手の形をイメージする
などの行いから得られる“気づき”を促してくれるリハビリ、といったところでしょうか
ただ「繰り返す」のではなく、「どのように何を感じてできたか/できなかったか」を一緒に考える。その積み重ねが、私にとって「自分のカラダを取り戻す有意義な時間」になりました。
Aさん、体験談をありがとうございました。
後半部分は、また改めましてup致します。皆様、もうしばらくお待ちくださいませ
- 脳は変われる。あなたも、きっと変われる。
- 最初の一歩が、新しい未来をつくる。