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運動イメージを上手く使って、脳梗塞の後遺症をあきらめない!その第一歩を一緒に

【はじめに】「もう動かない」と決めつけていませんか?

脳梗塞を経験された多くの方が、退院後やリハビリ終了後にこんな思いを抱きます。

「もうこれ以上は良くならないのでは…」
「手足が動かないのは、仕方がないことだ」
「頑張っても意味がないかもしれない」

しかし、それは本当に“限界”なのでしょうか?
脳は年齢に関係なく、使い方次第で変わる力(可塑性)を持っています。
そして、その“変わる力”を引き出すために、近年とても注目されている方法が「運動イメージ」です。

この記事では、脳梗塞の後遺症で悩む方へ向けて、運動イメージの基本とその活用方法、実際の改善例まで、わかりやすくご紹介します。


【課題】動かない手足は“イメージの欠如”も原因のひとつ?

脳梗塞によって体の一部が麻痺してしまうと、当然ながら思うように動かせなくなります。すると次第に、その動き自体を「想像する」機会も減ってしまう**のです。

たとえば、右手が麻痺してしまった方が、日常生活のすべてを左手で行うようになると、右手を使う場面や動作を頭の中でイメージすることがなくなっていきます。

この「運動のイメージが消えていくこと、間違っていること」こそ、回復を阻む大きな壁のひとつです。


【解決策】“運動イメージ”は脳のトレーニングになる!

「動かなくても、イメージするだけで意味があるの?」

そう思う方もいるかもしれません。
しかし、脳科学やリハビリの研究では、「動きを頭の中でイメージすること」が、実際に脳を活性化させることがわかっています。

● 運動イメージとは?

運動イメージとは、実際に身体を動かさずに、「動く様子」を頭の中で鮮明に思い描くことです。

たとえば:

  • コップを右手で持って口元に運ぶ

  • 椅子から立ち上がって3歩歩く

  • 自転車をこぐ動きを想像する

このようなイメージを繰り返すことで、脳の運動をつかさどる部分(運動野や補足運動野など)が活性化されます。実際の動作と同じ脳領域が反応することが、MRIなどの研究でも証明されているのです。


【実践】運動イメージのやり方とポイント

運動イメージは、ちょっとしたコツを押さえることで、誰でも取り組めます。
ここでは、効果的な実践のためのステップをご紹介します。

落ち着いた環境をつくる

テレビやスマートフォンを消し、静かな空間で集中できる環境を整えましょう。座ってリラックスした姿勢が理想です。

短く、具体的な動きを選ぶ

最初は、5〜10秒程度で終わるような簡単な動作から始めましょう。たとえば:

  • テーブルの上のボールをつかむ

  • 顔を右に向ける

  • 足首を上下に動かす

など、自分にとって意味のある動作を選ぶと、イメージもしやすくなります。

五感を使ってリアルに思い描く

ただ「なんとなく」イメージするのではなく、以下の感覚を使って、できるだけリアルに思い浮かべます。

  • 視覚:「見えている景色」や「自分の手足の動き」

  • 触覚:「床につく足の裏の感覚」や「指で物を握る感じ」

  • 聴覚:「足音」や「物を置く音」

左右の動きをリンクさせる

たとえば、右手が麻痺している方は、まず左手でコップを持ち上げる動作をしてから、その動きを右手でイメージすることで、脳の連携が深まります。


【成功事例】60代男性・社長業から再び書類サインへ

当施設に通われている60代の男性、K様の事例をご紹介します。
K様は脳梗塞後、右手の麻痺が強く、「字を書く」ことを完全にあきらめていました。

退院から半年後にリハビリ研究センターせんだいに来られたときは、ほとんど右手を使っていない状態でしたが、私たちは**「書く動作の運動イメージ」**に焦点を当てたプログラムを提案しました。

最初は、実際にペンを持たずに「書く様子を思い浮かべる」ことからスタート。
その後、左手での動作も活用しながら、徐々に右手の筋肉や感覚が目覚めていきました。

約3ヶ月後、K様は実際に自分の名前を右手でサインするまでに回復。
そのときの一言は忘れられません。

「まさか、また自分で契約書にサインできる日が来るとは…涙が出るね。」


【補足】運動イメージ+実際の動作との比較=最大効果

運動イメージは、単独でも脳を活性化させますが、実際のリハビリ動作と組み合わせることで、より効果が高まることが分かっています。

たとえば:

  • 手を動かす前に「動かすイメージ」をする

  • 歩行訓練の前に「歩いている姿を頭の中で描く」

こうすることで、脳は「これから動くぞ」という準備が整い、**より効率的な神経回路の再構築(再学習)**が期待できるのです。


【まとめ】“あきらめ”を“挑戦”に変える第一歩

脳梗塞による後遺症に苦しむ方は多く、その悩みはとても深いものです。
けれども、「もう動かない」と決めつけてしまうのは、回復のチャンスを自ら閉ざしてしまうことにもつながります。

「運動イメージ」というシンプルな方法でも、脳の可能性は大きく広がります。

そして私たちは、その**「挑戦の第一歩」**を、全力でサポートしたいと思っています。
あなたの身体の回復は、今日からでも、今からでも始められます。


▶ 興味のある方は、お気軽にご相談ください

「具体的なやり方を知りたい」
「自分に合った運動イメージを提案してほしい」

そんな方は、ぜひリハビリ研究センターせんだいにご連絡ください。
初回カウンセリングや体験プログラムもご用意しています。

あきらめないあなたを、私たちは全力で応援します。

お問い合わせはこちら!

2025.05.07